伏見皮フクリニック

院長の伊藤祥雄先生に、

炭酸についてお伺いしました。


炭酸が身体に及ぼす効果 は様々ありますが、最大3つを上げるとすると血管の拡張・血流の促進・酸素量 を増やすことにあるでしょう。この3つの働きによる美容・抗加齢効果、そして全身的な健康増進が期待できるのです。

 

炭酸の素晴らしい点は、 あらゆる生物が持っている ホメオスタシス( 生体機能 ) を利用し、内服薬を使わずに血管拡張作用を期待できる点にあります。

 

その皮膚における作用で簡単に説明すると、炭酸ガスが皮膚から吸収され血管 に取り込まれると、炭酸脱 水酵素の作用により重炭酸イオンと水素イオンに変換されます。

 

水素イオンが発生すると、組織が酸性に傾きが下がります。すると、この変化を受けた血管内皮 細胞が血管壁の緊張を緩める物質を産出し、血管が拡張するのです。 これを管壁のセオリーと言い、血流や血圧を調整する生体機能の一つです。



先ほどお話しした血管拡張効果により、その部位の血流が多くなります。血流が活発であれば、肌細胞は不要な老廃物を溜めることなくどんどん排出することができます。

その分、酸素や栄養分が取り込めて細胞は活性化します。

炭酸で血管が拡張し、血流量が増えるということは、【酸素が増えて細胞が活性化し新陳代謝が良くなる】ことにもつながります。



ボーア効果とは、血液内の二酸化炭素量や温度の変 化で、赤血球から放出される酸素の量が変化する効 のことです。 炭酸ケアは、まさにこのボーア効果を利用したものです。酸素は通常ヘモグロビンという血液中の色素細胞とくっついています。

 

炭酸ガスを直接皮膚から高濃度に吸収すると、炭脱水酵素の働きで が下がります。するとボーア効果 により、赤血球からさらに多くの酸素が放出されるようになり、結果として炭酸ケアを行った皮膚にはより多 くの酸素が供給されるという仕組みです。

 

また新陳代謝とは、例えば肌であれば、細胞を新しくつくり、古いものと取り換える働きのことです。

角層に古くなった表皮細胞が残ったままで排出できないと、新しいものと入れ替わることができません。それがシワシワの乾ききったゴワゴワどす黒い肌の原因となります。

 

代謝をあげる方法として、大切なのは酸素を十分取り込むこと。これにより肌の細胞分裂、すなわちターンオーバーに必要なエネルギーが供給され、健康で美しい肌を維持していくことが可能になります。

 

このように常に新鮮な血液が滞りなく循環することで、細胞に栄養をたっぷりと与えられ、皮膚の傷やケガだけでなく、全身の健康につながります。